ミツロウ(蜜蝋)はミツバチの巣を構成する蝋。働きバチの腹部の腹面に対を成して存在する蝋腺から分泌されたもので、主成分はパルミチン酸ミリシル。巣を加熱圧搾したり、湯で煮溶かしたりして採取する。精製・漂白したものは白色?帯黄白色でサラシミツロウという。ろうそく(蜜ろうそく)、ワックス(つや出し剤)、クリーム、化粧品、漢方薬、クレヨン、粘土など、さまざまなものの原料として利用される。
今日では蜂蜜の副産物であるが、中世ヨーロッパでは教会の儀式用ろうそくの原材料として大量に消費されたため、むしろ養蜂の主目的はミツロウの生産にあった。蝋燭に使用した場合パラフィンに比べすすが少ない等の長所がある。
また、古代?中世においてロストワックス鋳造法での原型にも使われた。
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蜜蝋はその酸や水、空気中の有害物質などに対する堅牢さから古代の絵画のメディウムとしても使用された。紀元1世紀頃のエジプトのファイユーム地方では、蜜蝋に顔料を加え熱で溶かして描くエンカウスティーク(独)技法によるミイラの生前の肖像画が描かれていた。驚くことにこれらの肖像画には経年による劣化が無く今日でも当時のままに保存されている。これは蜜蝋がきわめて耐久性のある有機物であることの証明である。この分野の研究では画家でもある赤木範陸がいる。現代ではジャスパー・ジョーンズなどによって絵画作品に用いられるなど使用法の幅は広い。